夢野ヨーダの伊藤夢葉の台詞4

布と皿
 次は、大きな布を使います。そして、お皿を使います。パイ皿と言うお皿です。このお皿を布の裏に入れます。お皿はここにあります。このお皿に息を吹き掛けると・・・、お皿は、懐から出て来ます。

ロオプトリック
 わたくしの先生、ロープの手品が好きでした。わたくしも、随分と習いました。これが、一番最初に教えていただいた手品です。太くて長ーいロープです。このロープにひとつ輪を作ります。そして、もう一つ。長い方の端を下の輪に絡めます。もう一度絡めて引っ張るとこんがらがっているように見えます。でも、御呪い一つで、簡単にほどけてしまいます。

2本のロープ

 普通はこんなに太いロープは使いません。あまり太いと使い難いんです。では、どのくらいの太さのロープがいいのかと言えば、このくらいの太さがいいんです。細い方がいいのなら、もっと細い方がいいのではと言う方もいますが、細すぎると、今度は見ている方達が見難いんですね。演技がしやすくて、見る方も見やすい丁度いい太さが、この太さなんです。

 ロープが2本。ロープだけじゃ寂しいですね。ハンカチも使いましょう。まずは、赤いハンカチ。赤いハンカチをロープのまん中辺りに結びます。ぎゅうーっと。二枚目は黄色いハンカチ。ゆっくりと・・・。本当に結んでいます。三枚目は緑。本当に結んでいますよ。ハンカチを結んだだけでは物足りないと言う方がおります。さらにロープも絡めましょう。こっちのロープとこっちのロープをこんな風にしっかりと結びます。

 こんなにごちゃごちゃになってしまいました。

 でも、大丈夫。手品師は、なんでも「ワン・ツー・スリー」で事を解決してしまいます。

 ワン・ツー・スリー

ロープをすり抜ける結び目

 ただ、この手品を演じていると、どうして2本のロープを使うんですかと聞く方があります。他にあやしい所がありますかと、聞きますと何故ハンカチを3枚使うのですかと。もしかしたら、この手品はかずでごまかしているのではないかと思うようです。確かにかずで誤摩化す手品はあります。でも、これは違います。もう一度やってみましょう。もう一度やりますが、今度はかずを減らしてやってみましょう。

 ロープは1本だけ、ハンカチも1枚だけでやってみましょう。

 ただしわたくしが、このロープを使いましょうと勝手に決めますとわたくしが決めたからと言われてしまいますので、どちらのロープを使うかお客様に決めていただきましょう。そちらの赤い洋服のお姉様、お願いします。右のロープでも、左のロープでもお客様が好きだと言う方のロープを使います。右でも左でもお好きな方のロープを使います。右でも、左でも・・・。

 (右!)

 はい、右のロープですね。では、右のロープを使います。

 ハンカチは緑、赤、黄色 。お好きな色は何色ですか。

 (黄色!)

 黄色。はい。黄色ですね。わたくしの好きな色は黄色なんです。

 ロープ1本とハンカチが1枚。かずで誤摩化す事は出来ません。ロープのこのあたりにハンカチを引っ掛けて、結びます。一度だけではなんですから、もう一度。しっかり結びます。

 ゆっくりと、ゆっくりと動かすと、取れてしまいます。

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